応募後の辞退も求職者の当然の権利!
採用面接のときにいやな思いをした場合や、求人票の内容とかけ離れた条件を提示された場合には、応募後の選考中の段階でも辞退を入れても構いません。
入社後の離職よりも、選考中の時点で「この会社では働くことができない」と決めたほうがよいのです。
「雇用希望の立場で辞退をするのは好ましくない」と思うこともあるでしょう。
しかし、面接でモヤモヤが生まれ「この会社で働くのはどうだろう」と思い始めた場合、早いうちに次の職場を検討したほうがよいケースもあります。
求職者が辞退することも当然の権利だと割り切りましょう。
辞退を入れるときは、決心したらできるだけ早く申し入れることが大切です。
また、面接を受ける前に辞退の連絡を入れるのはマナー違反です。
面接のアポインメントをドタキャンするような形での事態は避けてください。
辞退の基本は?
辞退の一報を入れる場合は、「礼儀正しく、速やかに報告を入れる」ことを心がけましょう。
面接のマナーと同じで、丁寧にかつ真摯な態度で言葉を伝えます。
基本的には電話を利用し、応募先の営業時間内に一報を入れます。
朝イチの時間より、10時以降の落ち着いた時間に連絡を入れるなどの配慮も忘れないでください。
メールの場合、応募者側としては一方的に伝えるだけになるので楽な方法です。
しかし、リアルタイムに意思が伝わらないので避けるべきです。
電話で辞退を伝える場合は、応募窓口となった担当者へ直接伝えます。
また、面接を受けた際の感謝の意を伝えるとともに、「諸事情により選考を辞退させていただきたい」というアプローチで辞退の意向を告げてください。
理由は聞かれたら伝えるという方向で構わないでしょう。
もし理由を聞かれた場合は、「御社の業務内容をうかがう中で、自分が持つスキルでは対応が難しいと感じた」というように、自分自身の力不足といった理由でまとめてください。
たとえ「求人票との相違が気になった」「基本給が思ったよりも低かった」というような会社側の理由で辞退を決めた場合でも、「自己都合」でまとめたほうが心象がよいでしょう。
「理由はお伝えできません」などと伏せることは避けてください。
しかし、理由を伝えるべきというケースも存在します。
それは、「面接中に受けたセクハラやモラハラ」についてです。
面接官の心無い発言でいやな思いをし、これが辞退の決め手となった場合、その事実を伝えることをおすすめします。
ただし、発言の事実のみにとどめ、「このような発言を受け、一身上の都合により辞退したい」と伝えるのみでよいでしょう。
勇気がいることですが、個人に関することや業務以外の面でハラスメント発言があった場合、不快を伝えたうえで辞退するほうが企業側のモラル向上にもつながるでしょう。